スマートグラスが切り開く未来。

遠隔支援を実現し、人手不足を克服する革新的な技術に触れてみる。

2024年3月15日に「実際の現場でスマートグラスはこう使われています: 導入してからの運用面などソリューションの選び方を解説」というセミナーを開催しました。本ページではその講演内容のポイントについてご紹介します。

 

 

 

 

 

Mシリーズはスマートグラスで10年以上の歴史と経験あり

最近、スマートグラスに関する話題が増えてきました。弊社はデジタル情報や映像を眼鏡に表示するスマートグラスの製造において、先駆的な存在です。Vuzix Corporationは1997年に創業し、初期は「ヘッドマウントディスプレイ」と呼ばれる製品を開発していました。この技術は頭に装着するディスプレイで、その後、私たちはこの分野で25年以上の歴史を積み重ねてきました。

当初は、単なる映像表示デバイスとしてスタートしましたが、2005年にはV920という製品を市場に投入し、それが後のスマートグラスへと進化する礎を築きました。これらの製品は、当時はまだHDMIなどの接続端子もなく、赤白黄色のコンポジットケーブルを使用してビデオデッキなどに接続する方式でした。この時期から、私たちは徐々に製品ラインを拡充していき、さらに先進的なウェアラブルデバイスの開発に注力してきました。

2013年には、Android OSを搭載したM100というスマートグラスを発表しました。これは、おそらく市場に出た初めての一般消費者向けスマートグラスであると考えられます。その後も、私たちはスマートグラスの製品ラインを拡張し、Mシリーズとして知られるようになりました。特に注目すべきはM400で、これはスマートフォンやタブレットの機能を眼鏡型デバイスに統合した製品です。

M400は単なるウェアラブルカメラやディスプレイではなく、OSやCPUを内蔵しており、スマートフォンやパソコンとの連携なしに単独で動作が可能です。これにより、ユーザーはさまざまなアプリケーションを直接デバイス上で利用でき、非常に多機能で実用的なツールへと進化しています。さらに、ディスプレイは有機ELを採用しており、クリアな視覚体験を提供します。

私たちのスマートグラスは、現在、多くの業界で実際に導入され使用されています。これは、将来的な投資ではなく、現在進行形でビジネスや日常生活に革新をもたらしている技術です。弊社としては、これからも技術革新をリードし、より多くの業界においてこの先進的なデバイスが活用されることを目指しています。

多種多様な業種の人手不足を支援しているスマートグラス

弊社への問い合わせの中で、最も多様な業種の企業がスマートグラスに関心を示しています。医療、農業、保守、検査、教育といった分野での具体的な利用が増えており、これらは全て人手不足の解消に寄与しています。特に地方の企業からの関心が高く、これまで複数人で行っていた作業を一人で効率良くこなすための支援が求められています。

スマートグラスの導入が検討される背景には、何よりも「人手不足」があります。多くの場所で労働力の確保が難しくなっており、これまで2人で行っていた作業を1人で行う必要が出てきています。これは、特に人口が少ない地方で顕著な問題です。私自身、地方出身でこの問題を深く理解しています。人が不足している中で、仕事をやめるわけにはいかないため、どうにかして業務を継続できる方法を模索しているのです。

スマートグラスを導入するメリットは、そのハンズフリーの機能にあります。使用者は両手を自由に使いながら作業を行うことができるため、作業の効率化だけでなく安全性の向上にも寄与します。例えば、医療現場では手術中に重要な情報をリアルタイムで表示でき、農業では作業中に手を使いつつ情報を確認することが可能です。

このように、スマートグラスは多岐にわたる業種でその可能性を拡げており、特に人手不足が深刻な地方では、これからのビジネス継続の鍵を握る技術となっています。弊社はこれからも様々な業種のニーズに応え、スマートグラスのさらなる普及と活用を推進していきます。

スマートグラスを使って何をしたいかが重要。失敗しないスマートグラスの導入方法とは?

では次に、スマートグラス導入時に注目すべき側面を述べます。スマートグラスはその機能性だけでなく、適切なソフトウェアソリューションの選択が非常に重要です。これは、単にハードウェアとしてのスマートグラスではなく、それを動かすソフトウェアが実際に使用価値を生み出すからです。スマートグラス自体は、基本的なカメラ撮影などは可能ですが、特定のタスクを実行するためには適切なソフトウェアが必要になります。

成功するためのスマートグラス導入戦略として、まず「何を解決したいのか」を明確にすることが不可欠です。多くの企業がスマートグラス導入を考える際、多機能を求めがちですが、それが逆に導入の障壁となることがあります。最初はシンプルな機能から始め、現場のニーズに合わせて徐々に機能を追加するアプローチが効果的です。たとえば、現場の作業者の目線で映像をリアルタイムで送信し、管理者がその映像と声を共有するだけのシンプルな用途から導入を開始することが、受け入れやすくなります。

また、導入するソリューションを初めから限定しすぎることなく、現場の要望に応じて柔軟に調整することが望ましいです。これは、パソコンやスマートフォンと同様に、一度選んだソフトウェアが最終的な選択ではなく、使用していく中で他のオプションに変更することが可能であるためです。最初の導入では、現場のフィードバックを基にソリューションを調整し、最適なワークフローを模索することが成功の鍵となります。

経験上、スマートグラス導入においては「これもやりたい、あれもやりたい」と多機能を望む声が多く聞かれますが、それが現場での受け入れを困難にする原因となることもあります。そのため、導入初期は特にシンプルな機能に絞り、徐々に拡張していくことをお勧めします。これにより、スムーズに導入を進め、従業員からの受け入れも得やすくなるでしょう。

弊社としては、スマートグラスを導入する際にはこれらの点を特に重視しています。適切なソリューションの選択と段階的な機能の導入は、効率的かつ効果的にスマートグラスを活用するための鍵です。このアプローチにより、スマートグラスの潜在能力を最大限に引き出し、さまざまな業務プロセスの改善に寄与していくことを目指しています。

遠隔支援をスマートグラスで実現する活用例。

最後に、スマートグラスとZoomの連携について紹介します。弊社では、M400スマートグラス向けに特別に設計された「Vuzix ビデオ カンファレンス for Zoom」を提供しています。このソリューションにより、スマートグラスを通じてのリモートコミュニケーションがより効果的に行えるようになります。

Vuzix ビデオカンファレンス for Zoomについて詳細はこちら

Vuzixのスマートグラスは、標準のPCやスマートフォンとは異なり、マウスやキーボード、タッチパネルを使用しないため、Zoomの操作も独自の方法が求められます。このため、VuzixはZoomと提携し、スマートグラス用にカスタマイズされたZoomインターフェイスを開発しました。これにより、ユーザーはスマートグラスから直接、Zoomミーティングに参加し、操作が可能となります。

操作方法としては、M400スマートグラスには三つのボタンがあり、これを使用してZoomの様々な機能をコントロールします。例えば、会議の開始、参加、音声のミュート、ビデオのオンオフなどが、ボタン操作だけで直感的に行えます。また、QRコードをスキャンすることでミーティングに簡単にアクセスすることもでき、これにより操作の簡略化が図られています。

さらに、Vuzixのスマートグラスでは、画面共有やカメラを使ったリアルタイムビデオの送信が可能で、遠隔地の相手と直接顔を合わせて話しているかのようなコミュニケーションが実現します。特に、フラッシュライト機能を備えているため、暗い場所でも明瞭に映像を捉えることができ、現場作業のサポートに最適です。

最後に、デジタルズーム機能により、最大8倍までの拡大が可能で、細かい部品の型番読み取りや、緻密な作業の支援が行えます。さらに、露出調整も可能で、環境に応じて画質を最適化できるため、様々な現場条件下での使用に対応しています。

 

弊社は、スマートグラスの導入をサポートするために、専門スタッフによる現地でのレクチャーや体験会を定期的に提供しています。これにより、実際の使用環境を体験し、より効果的にスマートグラスを活用する方法を学ぶことができます。定期的に体験会を開催しており、興味のある方はぜひ参加をお勧めします。

体験会情報はこちら

このように、Vuzix ビデオ カンファレンス for Zoomは、スマートグラスを通じて、より効果的なリモートコミュニケーションと遠隔支援を実現するための強力なツールです。スマートグラスの導入を検討している企業にとって、このソリューションは業務の効率化と品質向上を大きく促進するものとなるでしょう。

これまでの説明から、スマートグラスが現代のビジネスや各業界においていかに多様な可能性を秘めているかがご理解いただけたかと思います。弊社が提供するスマートグラスは、単なるウェアラブルデバイスを超え、遠隔支援、人手不足の解消、効率的な業務遂行のキーソリューションとして、すでに多くの場面で活用されています。

これからも私たちビュージックスジャパンは、技術革新を続け、より多くの企業がスマートグラスを活用することで、その業務をよりスマートに、より効果的に進められるようサポートしていきますので、もしご興味ご関心ございましたら一度、お声がけお願いいたします。

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